愛していると言ってくれ
♪ To Lady-SAIL ♪
From KAHO with love.
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どうして? どうして「その日」が今日なの? なぜ・・・あなたは今日を選んだの? どうして?どうして・・・なぜなの? そして――― なぜ私は・・・ 今こうしてあなたの為に、こんな事をしているのでしょう。 お祝いの席を笑顔で過ごせるはずもないのに。 「ねぇ・・・アンジェ?ここは僕がやるから、君は休んだ方がいいよ。」 マルセルの声・・・ 「今にも倒れそうな感じに見える。ねっ?少し横になっておいでよ。」 優しい・・・優しい・・・マルセルの声 けれど、けれど私は――― 「そ、そんなに具合が悪く見える?私は少しも病気なんかじゃないわよ。」 嘘つき・・・私は嘘つき。 本当は、消えてしまいたいくらいなのに・・・ 「お誕生日のセッティングなら、他の方達の時も手伝ってるんだから大丈夫。ほとんど仕上がっているんだから、さ。」 いくらやせ我慢したところで、マルセルの目はごまかせない。 私は随分と長い事、補佐官として彼らと過ごして来たのだから。 「じゃあ、少しだけ休憩して来るわ。あとは・・・テーブルにお花を置くだけだから、あなたの分野だものね?お願いしちゃうわ、マルセル。」 「OK!パーティが始まる6時まで、休んでるといいよ。ちゃんと呼びに行くからね?」 「うん、ありがとう。」 精一杯笑顔を作ってパーティホールを出る。 そして一目散に急いだ先は、執務棟。 ひとつふたつ・・・そして・・・ ある扉の前に立ち止まる。 何度も何度も通った扉。 女王候補の時も、補佐官になってからも、通わずにはいられなかった扉。 いつもドキドキして、深呼吸して・・・ そんな日々はずっと続いていた。 あの人は―――今夜いなくなる。 聖地から―――私の人生から―――永遠に。 扉を叩いて、開けて、中にいるあの人に・・・ 抱きついてしまいたい。 大好きなの。ずっとずっと好きだったの。 本当は―――どうしようもないくらいに―――好きなの。 あなたがいないと、呼吸も出来ないほど。 あなたがいないと、一人で立っていられないほど。 あなたがいないと、私に夜明けが訪れないほど。 あなたがいないと・・・あなたがいないと・・・ 動かない扉を見つめて、ただ心が叫ぶだけ。 ―――ガタン 不意打ちのように扉が開く。 冷たい程の蒼なのに、暖かく感じられる瞳の彼がそこにいた。 「これは・・・補佐官殿。どうしました?俺に何か用かな?」 「あ、あの・・・、何かお支度手伝えるかな?って思って・・・」 一瞬―――強張ったように見えた彼の顔が、私の体をビクつかせた。 けれど、すぐに持ち前のセクシーな笑顔に戻る。 「ご心配いただいて恐縮だが、たいした荷物もないんでね。」 「そ、そう・・・なの?なら・・・必要ないわね、私は。」 彼の前では堂々としていたいのに、それはとても無理だった。 『俺に嘘は通じないぜ、お嬢ちゃん』 彼が私にいつも言っていた口癖だ。 落ち込みや弱さを隠しても、必ず彼に見透かされてしまう。 だから――― 嘘はつけない。 正直に言わなくては、彼が怒る。 「私・・・お別れの挨拶を、ちゃんとして無くって・・・」 また―――彼の強張った瞳 「別れの言葉は苦手だ。そう皆に言ったはずだぜ?」 「ええ、そうね。けれど・・・私・・・」 ほんの少しの沈黙。 オスカーの怖いくらいの瞳が私を見つめる。 少しも動かずまっすぐに・・・ 私の言葉を待っているように思えるのは、思い過ごしだろうか? 何か・・・とても言いたいのだけれど、それが何か自分でもわからなかった。 何を言ったって、彼の退位は変わらないのだから。 「それが・・・用事なのか?」 「あ・・・私・・・あの・・・」 「ちょっとした後任への引継ぎが残ってる。俺は館に戻るんだ。悪いな。」 さえぎられた言葉 冷たい台詞(セリフ) そして―――足早に去って行く男(ひと) 振り向いてもくれないのね? 私の事など―――何とも思ってくれないのね、オスカー。 私は一人執務棟の廊下に立ち尽くす。 けれど―――まだ泣けない。 私は決めたのだ。 彼が完全にいなくなってしまうまで、決して泣かないって。 『何を泣いている?俺のお嬢ちゃんを悲しませている原因は一体なんだ?』 『オスカー?』 『俺の剣で、その原因を切り刻んでやる。だから、話してみろよ。』 いつもいつも・・・そう言って勇気づけてくれた。 あなたに恋する女には、とてつもない誘惑の言葉だった。 きっと、誰にでもあなたはそうなんだって・・・そう思ってみても、信じてしまう。 『俺のお嬢ちゃん』 それが呪文のように繰り返す。 大好きです、オスカー様。 オスカー・・・ 彼のサクリアが失われる事など、決してないように思えていた。 実際彼自身が陛下への謁見で、その事を口にする瞬間まで、彼の「炎」は生き生きと力強く漲っているようだったのだから。 考えた事もなかった。 彼が守護聖でなくなる時 彼がこの地を去る時が来るなんて! まして――― このあなたの生まれた日を、聖地を降りる日に選ぶなんて! 大切なものを失う日に、お祝いの席を作らなければならないなんて。 あなたは覚えているだろうか? 何年か前のバースディを。 少しワインが入ってはしゃぎすぎた私は、何もかも放り出してあなたにダンスをねだった。 あなたは夜明けまで、私のパートナーを務めてくれた。 白々と空けた空を見つめながら、バルコニーでくちづけをした事を。 あなたは覚えているのだろうか? 私とあなたに、それから何の変化もなかったけれど、私には一生忘れられない思い出だ。 あなたにとって100万回目のキスであろうと、私にとっては「はじめて」のくちづけだった。 私にとっては「かけがえの無い」大切な・・・ それが私を支えてくれた。 執務室にあなたを訪ねるだけで、幸せだった。 緋色の髪とブルーアイズは、それだけで私に幸せをくれたの。 だから―――ずっとずっと―――それは続くと思っていたのに! 賑やかな音楽とお酒――― それが彼の希望だった。 そして、「決して別れの言葉を言わない」という、彼の願い。 彼の誕生日―――それは誰も決して口に出せない別れのパーティ。 「もう荷物とか・・・そういうの・・・終わったのかい?」 華やかが売りのオリヴィエが、たまらず尋ねた。 「ゴメンゴメン。反則だろうけど、やっぱり気になっちゃうし・・・ね?」 「フッ、極楽鳥。心配してもらうほどの荷物はないぜ。お前なら衣装ケース100個だろうがな。」 私の至近距離でその会話は成されていた。 近くの席にいたい一心の私だった。 けれど、とても隣には・・・行けなかった。 「あんたの事だから、例の先祖代々のお宝の剣とカティスのワインと・・・あとは女のアドレスだろう?」 「おまえ・・・いつまで俺を『タラシ男』呼ばわりするつもりだ?」 「そりゃあ、もう、一生呼びつづけるよ。あったりまえ〜〜」 楽しい会話なんだろう。 男同士は、けなし合いながらも心の底で結びつく強いものを持っているのだ。 それは―――眩しい程に羨ましくもある。 傍らのリュミエールが言った。 「けれど・・・執務室にも私邸にも、素晴らしい持ち物がたくさんございます。あなたの自慢の逸品ではありませんか?」 そうリュミエールに問われて、オスカーが答えた。 「趣味のものは、後任に譲った。それに・・・」 ちらり・・・と、彼が私を見た・・・ような気がした。 思わず下を向いた私。 そして―――続いて聞えた声。 「大切なものは・・・手に入らなかった。だから持っていけないな。」 オスカー・・・ それは?大切なもの・・・って、それは・・・何? 私は心で叫ぶ。 違う・・・違う・・・自惚れちゃダメ。 大切なものが、もしかしたら・・・自分だなんて・・・思ってはいけない! でも――― どうして私を見つめたの? なぜ―――そんな風に―――私の心を乱すの? 「ハッピーバースディ!オスカー!」 誰かの声が高らかに聞えた。 時間が刻々と過ぎていく。 ひとりひとりスピーチをしているようだ。 彼との出会い。 彼とのエピソード。 彼という男について。 皆、オスカーの願い通りに楽しい話を繰り広げている。 なぜ―――皆、大人なんだろう? なぜ―――『あなたがいなくなると寂しい』って、言わないように出来るのだろう? 私には―――私には―――そんな事!! 「アンジェリーク・・・、あなたの番ですよ。さあ上座のマイクへ」 リュミエールに促されて、人形のように動いた私。 一体何を話せというのだろう? お別れの言葉を言ってはいけないのに!? 私はふと考えてしまう。 私は補佐官だ。 この上座の演台の傍らには陛下がいる。ジュリアスがいる。 常に堂々として事にあたる―――それが補佐官の役目。 私は会場の全ての人の注目を一身に受けて、補佐官の顔に戻る。 精一杯の笑顔を作って・・・ キィィィィィ〜〜〜ン マイクがちょっとハウリングを起こす。 私がマイクを使う時には必ず鳴らしてしまう「お約束の音」。 会場に笑い声が聞える。 「ええ・・・、オスカーお誕生日おめでとうございます。もう何度もこうやってお誕生日をお祝いして来ましたが、いつもスピーチでは緊張してしまいます。ああ〜〜〜、このマイクってば、ちょっとエコーが効き過ぎてません?」 どっと、笑い声が聞えた。滑り出しはOKだ。いつもの私の調子を保っている。 「オスカーにはいつもドジで頼りないところを見つけられて、それこそ『宇宙一のおっちょこちょい』という本性を暴かれまくっています。お恥ずかしい限りです。」 ペロリと舌を出した。それが「アンジェリーク・リモージュ」だから。 「初めて会った頃の私よりも、少しは大人の女性に成長して来たつもりですけれども、相変わらずオスカーは私を『お嬢ちゃん』と呼んで、今でもレディ扱いしてくれません。それが結構『不満』だったりするんですよ?オスカー?」 つい・・・会話の流れで、オスカーのいる方を見てしまった。 オスカーは――― 彼は―――真剣に私を見つめていた。 怒っているでもなく、笑っているでもなく・・・ だだ―――真っ直ぐに―――私を見ていた。 心が―――乱れる。 だから視線をつい戻してしまう私だった。 もう少しだ。もう少し話したら、スピーチが終わる。 「私が未だお子ちゃまなのに対して、オスカーは昔から大人で、今では『ぐっと』更なる大人の魅力で、聖地のご婦人方のハートを掴みまくっています。流石といわなくてはなりませんね?」 ヒューヒューと冷やかしの声が聞えた。 やたら効き過ぎるエコーが、とても虚しく感じられる。 けれど―――あと少しでこの苦痛は終わるのだ。 「これからも・・・大人の男として・・・私を見守って・・・」 ミスった!! 間違った!! 言ってはいけない事だった。 オスカーは見守れないんだ、この私を! だって・・・彼は・・・もう・・・もう・・・ 完全にペースは乱れた。 ざわつく会場。途切れたスピーチ。 みんな・・・みんな私を・・・見ている。なんとかしなくてはならない。 腫れ物に触るような今夜のみんなの努力を無駄にしてはいけない。 そして―――私の願いも虚しく――― ―――あってはならない事が起きた。 ひんやりと頬を伝うものに、私は気付く。 涙が―――溢れていたのだ。 信じられない程、大粒の涙が・・・ それを大急ぎで拭ってみても、とめどなく流れ続ける。 もう・・・止められない・・・決して! オスカーを見た。 彼は―――席を立ち上がって―――心配そうな視線を向けていた。 むろん、他の者達も心配そうにしているようだ。 もう―――ごまかしなんて―――通じない。 だから―――全て―――言ってしまいたくなる。 私はマイクを両手で握り締めた。 「悲しいの・・・悲しいの・・・。あなたがいなくなるなんて・・・悲しすぎて考えたくないの。私を置いて・・・行ってしまわないで・・・私・・・あなたが・・・」 エコーが必要以上に声を盛り上げる。 もう―――どうなったって―――いい!! 「ずっとずっと・・・愛してました!あなただけを!!」 そう言いきって、私は床に崩れ落ちた。 両手で顔を覆いながら、自分でも考えられない程絶叫にも似たその泣き声は、離れてしまったマイクに反映していた。 どうしよう・・・もう取り返しがつかない。どうしたら・・・ 「そうよ!!オスカー!!あなたって、何て失礼な男なの!?アンジェリークにここまで言わせるなんて!」 陛下?・・・ロザリアの・・・声? 「私とて・・・そなたを見くびっていたぞ、オスカー。純粋なアンジェリークの心を受け止められぬとは、紳士の風上にも置けぬ!」 ジュリアス!? 「フッ、こうなったら・・・責任をとらねば・・・な。」 嘘・・・!?・・・クラヴィスまで? もう―――自分の置かれた立場など考えられなくなった。顔を覆っていた両手を取り去ると、信じられない風景が出来上がっていた。 立ち尽くしたオスカーの周りを、守護聖が囲んでいたのだ。 「てめぇ〜〜、ひとりで渋く聖地を去ろうなんて、格好付けんな!」 「俺もそう思います!アンジェリークが可哀想過ぎますよ」 「やはりですねぇ〜、やる事はやって置かないと・・・ね?オスカー」 「僕達みんな、ずっとそれが言いたかったんですよ。」 オスカーを囲んで、強力な仲間達が彼を攻めていた。 彼は困惑している。 やめて・・・オスカーを責めないで! 好きなのは・・・私の自分勝手な・・・ 「もう・・・隠してもダメだって。陛下にまでバレバレだもんね?」 「オスカー、あなたの『大切なもの』とは、アンジェリークなのでしょう?」 オスカーはうつむいて、そして―――もう一度顔を上げた。 私は動けない。 彼のアイスブルーの瞳は、既に失ったはずの強いサクリアを放つように私を射抜く。怖いほどにその視線は真っ直ぐと・・・私に・・・向けられていたのだ。 ゆっくりと・・・だが力強く、1歩1歩と彼が近づく。 いつもいつも恋していた男が――― 今目の前に立っていた。 今まで気が付かなかった事を―――今、知った。 痩せていた。 頬が少しこけていた。 髪の毛も伸びてる。ダンディーなあなたには珍しく。 目元も落ち込んで、いつもよりも大きな瞳。 疲れた―――表情で。 真っ直ぐに向けられたオスカーの瞳は、力なく見えた。 「泣くなよ。」 くしゃり・・・と、私のブロンドに手を添えた。 私は立ち上がれずに、彼を見上げたままだ。 でも・・・泣くのを止められない。自分の意志では無理なのだ。 「補佐官だろ?陛下の右腕の・・・」 もう一度私のブロンドをくしゃくしゃにもて遊ぶオスカー。 「私は・・・」 言ってもいいのだろうか?陛下やみんなの前で・・・言ってもいいのだろうか? けれど、流れ落ちる涙とともに、心は止まらない! 「私は、アンジェリーク・リモージュです。ただの女の子です。」 オスカーの瞳が輝いた。 そして――― 彼はしゃがみ込んだ私を抱きかかえるように、立ち上がらせる。 そして―――おもむろにマイクを取った。 私の愛した力強いオスカーが、蘇っていた。 「彼女をいただいても・・・宜しいでしょうか?」 相変わらず、マイクのエコーは絶好調に響く。 私の心臓の高鳴りとともに・・・ ―――ガタン・・・と、陛下が気品高く席を立ち上がった。 「オスカー。」 続く陛下の言葉は―――こうだった。 「『持ってけ、ドロボー!』って、ヤツですわね。」 陛下の瞳が潤んでいた。 (ロザリア・・・ロザリア・・・) 私はオスカーに抱きしめられたまま、その声を聴き、続いてたくさんの人々の歓声が・・・ オスカーが笑った。 私を見て―――笑った。 「お許しが出たぞ、お嬢ちゃん。」 終わらない皆の歓声の中に、信じられない思いの私は、知らず知らずにオスカーの背中に腕を回していた。 無意識に・・・真実無意識に・・・ 魂が――― 彼から離れない決意を誓っていたのだ。 オスカーの生まれた日――― この長い一日がもうすぐ終わる。 彼は今夜――――私の人生から立ち去って行くはずの人だった。 けれど―――彼はここにいる。 そして私を後ろから抱いて離さない。 「どちらにせよ・・・俺は、君を連れて行くつもりだった。」 「えっ?」 その言葉に驚いた私は、振り向こうとしたが果たせない。後ろから回した彼の腕は力強すぎたから。 「真夜中・・・、君の部屋へ行って気絶させてでも担いで逃げただろうよ。」 「オスカー・・・ったら、嘘つきね。本当は皆に言われなかったら、やっぱり私を置いて出て行くつもりだったんだわ。きっとそうよ。」 「違うな・・・それは。」 オスカーの唇が、私の耳元に押し付けられた。 早鐘のように心音が高く・・・早く鳴り始める。 「俺は、お嬢ちゃんの口から言って欲しかったんだぜ。」 それは―――それはどんな言葉だろう? 「『愛している』って・・・な。」 ばか・・・ね。子供みたいじゃないの?自信過剰で、思った事をすぐ口にする男のクセに、なんて消極的なの? 私は全身でいつも言っていたわ。 愛してるって。 オスカーが私の体の向きを変える。 正面で見つめあうと、凄く恥ずかしい。 だって―――彼は―――本当にハンサムで――― 「アンジェリーク。俺の未来にお嬢ちゃんがいないと思うと、もう生きている価値などないと思えた。眠れなかった、ずっと・・・。けれど守護聖としての最後の花道に、陛下への裏切り行為ともいえる『略奪』なんか、とても俺には出来やしない。それを実行するには、長い間俺は常に守護聖であろうとし過ぎた。結局・・・」 ハンサムな顔は、更にキリリと引き締まって行く。 「俺はただの『カッコ付け』な男だったのかも知れない。」 私は言った。 「知ってます。あなたが『美学』を通そうとする人だって。でも、私も皆もそんなあなたが好きなの。」 私は笑顔を彼に向ける、精一杯。 そして、彼もやっと固い表情を崩してくれた。 両手で私の顔を挟むオスカー。 そこには、ほんの数時間前に『二度と見る事が出来ないのだ』と思っていた輝くブルーアイズがある。 「お嬢ちゃん、陛下に頂いたひと月が待ち遠しいぜ。早く・・・一緒に暮らしたい。昼も夜もお嬢ちゃんを感じていたい。」 「少し我慢しててね。私の退位を許してくれた陛下に、最後にたくさんの感謝を込めてお仕事したいの。ひと月・・・の辛抱だわ。」 「随分とあっさりしていられるもんだな?さっき大泣きしたのはお嬢ちゃんの方なのに、これじゃ俺の方が甘えん坊の子供みたいだぜ。」 唇が重なった瞬間――― 私の心に初めての感覚が染み渡って行った。 彼の愛が―――流れ込んで来る。 これは夢じゃないのだ。彼と2人の道が、ここから始まるのだ。 もう執務室のドアの前で深呼吸して、彼を訪ねなくてもいい。ただ声を聞くために受話器を持って数分間悩む必要もない。 まして――― 遠い場所に生きて行く彼を想像し、涙に暮れなくてもいいのだ。 オスカーとの2度目のくちづけは、途切れる事なく続く。 オスカーったら・・・どこが甘えん坊の子供だっていうの? (子供はこんな―――こんな『キス』はしないわよ。) 私はそう心で呟くと、彼の広い背中に腕を回した。 決して―――手離さないように―――零れないように。 オスカーの低く優しい声が聞える。 「お嬢ちゃん。もう一度言ってくれないか?」 「なん・・・て?」 「愛しているって・・・言ってくれ。」 |
| 愛しているわ、ずっとずっとあなただけが・・・愛しいの。 また 次のお誕生日も、その次のお誕生日も どうか あなたの傍に私が寄り添っていますように・・・ オスカー 私の愛する人 ***Fin*** |
| 陛下、守護聖の皆、ありがとうオスリモを応援してくれて(涙) 大切なお友達(って、思って良いですか?)のSAIL様へ 今年一年の感謝を込めて、書いてみました。 お世話になりっぱなしで、何ひとつお返しが出来ぬまま・・・ 2001年も終わろうとしています。 未だにPCとは「なんぞや?」レベルの私から 「先生!」とお慕いするSAIL様へ愛(きゃ〜)を込めて。 2002年もどうぞよろしくお願いいたします。 KAHO |